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読書日記 2007年
2007年12月
- 新訳
現代の経営〈下〉 (ドラッカー選書) 著者:P.F.ドラッカー
読了:2007/12/5
- (内容を十分に消化できていないので簡単な感想です)
ドラッカー哲学の古典にして傑作。上巻では企業と従業員、社会との関わりに重点を置いた論が展開されていたが、下巻ではマネジメントの果たすべき役割について論じている。内容を十分に消化できていないので、以下に印象に残ったフレーズを羅列しておく。上下巻ともいずれ読み直すつもり。
- 組織のあり方
- 連邦型組織
- 機能別組織
- 人を雇うことの意味
- ひとまとまりの仕事をするとき、人はより効率的に働くようになる
- 仕事への動機づけ
- 雇用を維持するという責任のために新しい市場を見つける
- 現場管理者の仕事
- 専門職のマネジメントの仕方
- 意志決定、問題の定義
- 問題が何であるかを迅速に決定させることほど、愚かで、結局は時間の無駄を招く
- 行動の黄金律は、行ってはならない行動だけを規定する
- 仕事の単純化
- 知られざる古代日本キリスト伝説
―イエスは十字架で死んではいなかった!?東北に残る聖者の墓と救世主の血統の謎
(ムー・スーパー・ミステリー・ブックス) 著者:綾部宗彦 読了:2007/12/9
- キリストの墓が東北の戸来村に存在することは割と有名であるが、これは十字架にかけられたのがイスキリなる人物であり、本物のキリストは難を逃れ日本にやってきたと伝わっている。本書ではこの伝説を念頭に置いた上で聖書などの文献を元にその謎を解き明かすところから始まり、最後には縄文時代以前に高度な文明が存在しており、それを求めてキリストがやってきたという結論を導いている。
とりあえず、その結論はさておき、キリストが十字架にかけられていなかったとする説の根拠はなかなか説得力があった。聖書として広まっている文献はキリスト教として成立した後にまとめられた物であり、不必要な部分は削除されているのではないかという指摘はもっともである。また、コーランにはキリストは死んでいないと書かれていることを指摘したりとキリスト生存説には一定の説得力があった。
一方、東北には縄文以前に高度な文明が存在していたことについては、「竹内文書」や「東日流外三群誌」からの引用と怪しい。それでも、すべてを肯定するのではなく、発表時に紛れ込んだノイズの存在を示唆したり、反対派はこのノイズ部分だけを指して偽書と断じている点を指摘していることは評価できるだろう。
後半はともかく前半のキリスト生存説一つの可能性としてなかなか面白く読むことができた。
- ガンダム事典
(KCデラックス) 著者:皆川ゆか 読了:2007/12/10
- コミックボンボンで連載されていたものに加筆修正を加えた物で、Gジェネスピリッツに合わせたかのように1年戦争からザンスカール戦争までをMSやその周辺技術扱っている。そのため人物に関する描写はほとんど無い。また、過去に発売されたガンダム公式百科事典発売後に宇宙世紀に追加された要素はヘイズル程度でMS
イグルーやクロスボーンガンダム、クロスボーンガンダム鋼鉄の七人に関する記述は無いのにも注意が必要だろう。
ガンダムというのは解説し始めたらキリがないが、それをコンパクトにうまくまとめてある点は非常に評価できる。また、1年戦争後、特に第2次ネオ・ジオン戦争後が大きく扱われることは少ないので、それらの情報を求めたいときには非常に有効となるだろう。
- 超戦艦艦隊―最強艦隊出撃!
(タツの本 RYU NOVELS) 著者:青山智樹 読了:2007/12/16
- 9.11のテロ以降リアルな方面を避けるように、タイムスリップしたり、平行宇宙の間で兵器が行き来したりする作品が目立った仮想戦記だが、最近またリアル系が色々と出てきた。その中で手にとったのが本書である。
著者は過去に戦艦を飛ばしたことがあるが、今回はガスタービン搭載による高速化というリアル系である。仮想戦記の機転となるIFは「開戦が遅れたら?」であるが、ご都合主義的な展開では無く、外交手段によって開戦の危機をいったんは乗り切るというものであり、そのやりとりはなかなか読み応えがあった。また、新機軸は早々うまくはいかないということが伏線をうまく使って書かれている。
久しぶりの仮想戦記だったが当たりを引いたようだ。シリーズとしてしばらく続くようなので、今後の展開が楽しみである。
- ~経営戦略の実効性を高める~ 情報システム計画の立て方・活かし方 著者:柴崎知己 読了:2007/12/22
- 情報システムの運営、改善について書かれた本は多いが、本書は企画の段階についてまとめた珍しい本である。
要件の分析から経営者への説明までをカバーしている。図を使って要件をまとめる手法を例を使用して解説しており、内容もかなり実践的になっている。情報システム立ち上げの際に大いに参考になるだろう。一点、実際の運用のことはほとんど触れられていないので、その点は注意が必要である。
- 小説夢使い―心の言葉・繭子の日記
(KCノベルス) 著者:小林靖子 読了:2007/12/22
- 消えた水原繭子の行方を追うという内容で、アニメ版の脚本を担当した小林靖子による夢使いのノベライズ版。アニメのノベライズではなくオリジナルのストーリーとなっている。また、小説と銘打ってあるがト書き小説となっている。
アニメ化に際し、原作はないがしろにされることは多いが、夢使いについても一見するとそのように見えた(※)。しかし、夢使いについては、小林自身がアニメで放送できないことばかりが描かれており、アニメはあのようになったと後書きで触れている。そして小説版ではその鬱憤を晴らすかのように、原作をかなり意識した内容となっている。キャラクター設定も原作漫画に準じたものとなっているあたり原作を大切にしていることもうかがうことができる。アニメ版に不満だった人も一度読んでみることをオススメする。
※原作漫画を読んでいれば深夜枠でもそのままは無理ということは分かるし、実際に深夜枠で放送されたが、大幅な改変が必要だった。OVA化するにしても良くてR-15だろう、というのが当時の多くの意見。
- 鬼・雷神・陰陽師
古典芸能でよみとく闇の世界 PHP新書 (PHP新書) 著者:福井栄一 読了:2007/12/24
- 陰陽師とは何かを読み解く本・・・ではなく単に著者が蘊蓄をひけらかすだけの本。
陰陽師の解説もそこそこに、古典や能などからの引用や、話の途中で脱線することが多く読みづらい。読んでいて何かがおかしいと思ったが、やはりおかしかった。特にすごいのは、途中菅原道真についての章があったのだが、陰陽師とは全く関係ないことばかり書いてあり、読んでいて嫌になってきた。
陰陽師にかすってもいない単なる陰陽師ブームに便乗しただけの、読むだけ時間の無駄の本だった。これなら「ムー」の文庫本を読んだ方がまだ収穫は多いだろう。なお、著者は上方研究家ということらしいが、文章の書き方、構成があまりにも下手なので、それすら怪しく思える。
2007年11月
- 図解
クトゥルフ神話 (F‐Files) 著者:森瀬繚 読了:2007/11/7
- 本書はラヴクラフトや彼と親しい作家たちの手によるコズミックホラーとして有名なクトゥルフ神話に登場する神々や地名、アイテム、探求者をコンパクトにまとめた小辞典である。見開き2ページで1項目となっている。ラヴクラフトによる小説だけでなく、映画やゲームなどに登場した地名なども含まれているため思わずニヤリとするネタもある。
クトゥルフ神話は通常のシェアワールド作品は異なり、ルールやガイドラインがなく、個々の作家が必要な設定を自由に使うだけでなく独自の解釈を付け加えることをしている。そのため、定まった設定がないが、本書では割と平均的な解釈を行っている。しかし基本しっかりと押さえてあるのでその点は安心できる。
難しすぎずちょうどいい感じでまとまっているため、クトゥルフ神話入門者におすすめといえる。ただ、各項目に出典が記載されていないためその点が残念である。もし改訂版が発行されるのであれば、関連の深い作品名も項目に加えて欲しいと思う。
- こうすれば組織は変えられる!―「学習する組織」をつくる10ステップ・トレーニング 著者:ピーター・クライン/バーナード・サンダース 訳:今泉敦子 読了:2007/11/9
- 激しい競争を生き残るのは「学習する組織」であるとした上で、どうすれば「学習する組織」になることが出来るのかということを、サブタイトルにもあるとおり10のステップで解説している。
「学習する組織」というのは、「組織内により知的でより効果的なマネジメントシステム可能にするような文化が構築された組織」であり、「学習する個人」によって構成されるものだという。組織と個人が文化を生み出すが、その文化がよりよいものとなることを目指している。例えば、個人であれば仕事にやりがいや誇りを持ち、組織であればより多くの利益を得ることが出来るようになるというのである。
前半では主に学習することの出来る組織作りに重点を置いた解説がなされている。例えば、発言しただけで解雇されるような組織では良い結果が得られるはずもない。つまり、組織が個人に対して寛容であることを求めている。(当然無責任な発言は罰せられる)後半ではビジョンを描き、理解させる手法を解説している。例えば同じ言葉であっても人によって解釈が異なるようではいけない。共通の認識を得るためのワークショップの方法が紹介されている。
全体を通して様々な事例や理論が展開されており非常に読み応えがある。しかし、やや冗長的であり、また図版がほとんどないためイメージしづらいところもある。そのあたりが改善されればより実用的になるだろう。本書は、基本的に経営者やその周辺を対象読者としているが、一般社員であっても十分に役に立つ内容もあるため、読んで損はないだろう。
- マネジメントのための質問力―情報を引き出し、意思決定するEM式思考法 著者:飯久保広嗣 読了:2007/11/13
- 質問力とは何か?なぜ日本人は質問が苦手なのか?ということがかかれた本。
質問力は理論的な思考から生まれると言いながら、著者が推奨するEM法に基づいた思考方法は全く解説されておらず、質問の方法に問題のある会話例とその解説が10程度掲載し、あとは著者が日本人が質問が苦手なことを嘆いているだけという散々な内容となっている。少なくとも会話例が充実していれば良かったのだが、1つの例が数ページに渡るという冗長なであり、また肝心な部分が括弧書きで「○○について説明している」となっているため全く参考にならない。
なお、肝心のEM法は著者の前著「決断の速さの研究」に掲載されているそうだ。
- クトゥルー神話の謎と真実
(Gakken Mook ヴィジュアル版謎シリーズ) 読了:2007/11/19
- 学研のムーに掲載されたクトゥルフ神話に関する話題をまとめたムック。神話体系全体を俯瞰する内容となっている。神々や各種アイテム、人物が図解と共に解説されている。図解
クトゥルフ神話 (F‐Files)では触れられていなかった神々も掲載されており、人物については本書の方が多く掲載されている。他には、「クトゥルーの呼び声」「インスマスを覆う影」「ダニッチの怪」といった代表的な作品のダイジェスト、神話体系入門ガイド、そして佐野史郎インタビューと盛りだくさんの内容となっている。
- なぜ日本企業では情報共有が進まないのか―ナレッジ・マネジャー7つの心得 著者:田坂広志 読了:2007/11/19
- 1999年に書かれているため内容としては古いが、当時の状況を反映した内容となっている。ITバブルの始まりの時期であり、各企業がこぞって情報化を進めていた時代である。しかしながら情報共有がうまくいかないという問題も同時に起きており、それに対する一つの解を与える内容となっている。
本書では電子メールを軸に7つの心得として、情報共有のあり方を述べているが、結論を言ってしまえばデータとノウハウ、ナレッジを区別なく扱っている、ノウハウの囲い込みが行われている、そもそもノウハウを共有する雰囲気ではない、ということになる。そして最終的には人と人のつながり、共感が大切であるとまとめている。現在では当たり前ともいえる内容であるが、当時はコンピュータに仕事を奪われるという危機感もあったためこのようなまとめ方になっているのではないかと思う。また、そのような危機感を抱いていたマネージャを意識してそのような構成になっているとも推測できる。
タイトルに「日本企業」とあるので外国企業の事例などの紹介があると期待していたが、海外シンクタンクでの著者の体験が少々あるだけだったのが残念である。
- 新訳
現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書) 著者:P.F.ドラッカー
読了:2007/11/25
- (内容を十分に消化できていないので簡単な感想です)
マネジメント本質について、その成り立ちからどうあるべきか、何をしてはいけないのか非常に細かい分析がなされている。上巻では市場との関わり、社員との関わり、そしてマネジメント同士の関わりについてまとめられている。
ドラッカー名著で、マネジメントの古典にして最高傑作とも言われているだけあって非常に奥が深く、また現代においても十分に通じる内容となっている。
2007年10月
- 仮説思考
BCG流 問題発見・解決の発想法 著者:内田和成 読了:2007/10/8
- 問題解決のためには情報を収集し、分析する必要がある。しかし情報が氾濫する中、ただ闇雲に情報を集めるだけでは時間切れになってしまう。あるいは明確な結論を出せずに終わってしまうこともある。そこで本書では「仮説」を導入することを提案している。問題に対して「仮説」を立て、それに基づいた情報を収集、分析することで問題解決までの時間を短縮、あるいは明確な結論を出すことを目指している。
「仮説」を立てることは単に問題解決までの時間を短縮するという。たとえば、情報を網羅的に集めてしまうと、それらの情報をすべて分析することとなり非常に時間がかかる。しかし、いくつかの「仮説」を立て、それに基づく情報に限定して収集、分析することで情報の必要/不要の判断を早くに行うことができるため時間を短縮できるということになる。当然すべての仮説が間違いであることもあるが、早い段階で間違いに気づくためトータルとしては時間を短縮できるという。
仮説を立てることのメリットを例を示しながら解説しているが、一方で仮説を立てることの問題点、危険性についてはあまり触れられていない。たとえば仮説に固執するあまり本来の答えが目の前にあっても意図的に無視したり、あるいは情報を排除するということも考えられる。また、仮説に基づいているが実は間違っている情報を集めてしまうこともあるだろう。一応、仮説を一人で抱え込まないよう注意を促しているがもう少し仮説を立てることの危険性についても触れておくべきではないかと感じた。
全体を通して読みやすいため仮説思考という考え方を理解するには適している。しかし、メリットばかりが強調されているためそのあたりは注意して読み進めていく必要があるだろう。
2007年9月
- 図解でわかる技術マーケティング
(Series Marketing) 著者:ニューチャーネットワークス 読了:2007/9/8
- タイトルの通り技術をマーケティングに生かすための考え方を解説している。技術マーケティングの考え方の解説から始まり、ツールの説明、マーケティング戦略の策定、実行、組織体制と一通りの説明がされている。見開きで左側に説明、右側に図が掲載されており、見開きで小項目が完結するようになっている。また。付録として白紙状態の各種ツールと記入例が掲載されている。
使われているツールはPPMや3C分析、SWOT分析、バランスト・スコアカードなどマネジメントによく使われているものばかりであるが、技術を軸にしているためちょっと違う印象を受ける。PDCAサイクルに従った順序でツール間の関連と使い方を説明しているが、ページごとに例が異なるためいまいち関連がつかみにくい。ストーリー仕立てで共通の企画をツールで分析するような説明であればもっとわかりやすかったかもしれない。また、ツールへの記入方法が足りていない印象も受けた。
技術マーケティングの全体像をつかむのには十分な内容であるが、やはり1冊にすべてを詰め込んだせいか足りない部分もある。足りない部分はほかの文献を当たるのがよいだろう。
- 「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人 著者:吉田典生 読了:2007/9/26
- 「できない人」を「できる人」にする「伸ばす人」になるための対話をわかりやすく説明している。 <視点を変える対話><行動を促す対話><進捗を管理する対話><次のゴールを描く対話>という4つの対話が示されている。それぞれの中で、「できない人」を「できる人」へと導くポイント、「できる人」と「伸ばす人」の対話の違いなどが具体例を持って説明されている。
対話の中で重要なのは相手の状況を受け入れるということ、人を見るということが繰り返し述べられている。「できる人」は失敗したという「結果」を見て対話をするが、「伸ばす人」は失敗したという「状況」をみて対話するのだという。また、ほめるときも「できる人」は「結果」をほめるが、「伸ばす人」は結果を出した「できない人」をほめるという。つまり相手を見て対話をするということなのだが、これが難しい。しかも人によっては「結果」をほめた方がいい場合もあり、そのあたりの見極めが重要になってくる。ただ、長い間「できない人」をしていた人に対しては、「結果」ではなく「人」をほめるのが効果的ということのようだ。
できるようにするだけではなく、「できる人」ができるようになったときに陥りがちな罠についてもしっかりと触れられている。慢心していないか、目標を見失っていないか、燃え尽きていないかなど。そのためには振り返りが重要であったり次の目標をうまく示したりする対話が重要になる。また、ここでも「できる人」が陥りがちな「できない人」への対応も具体的な例が示されており、何がよくて、何がいけないのかが分かるようになっている。
著者自身が本書を実践編と位置づけているだけあって、著者自身の経験に基づく具体例も多い。また、難しい言葉は使われていないので読みやすい。人を教える立場にあるがなかなかうまくいかない、できるようになったと思ったら、すぐにできなくなってしまう、といった教える側の悩みに対する一つの回答が本書では示されているのではないかと思う。
2007年8月
- ぷぎゅる
6 著者:コンノトヒロ
- 不条理メイドまんがの6巻。若干エロネタが増えているものの相変わらずの内容。とりあえず安心して読むことができる。
2007年7月
- マーケティング10の大罪 著者:フィリップ・コトラー 読了:2007/7/7
- 市場、顧客、組織、製品、技術、機会・・・そういうものを生かし切れていないというマーケティングの抱えている問題を「大罪」として挙げ、分析している。1章につき1つの大罪をについて「兆候」と「解決策」を提示し、解説している。書き方が非常に単調なため読んでいてつまらないが、具体例も挙げているので説得力はある。
目新しい内容はないためマーケティングの知識を身につけるという使い方はできない。しかし、現在行っているマーケティングに不備はないかをチェックするという使い方をするなら適切であろう。そういう意味では逆引き索引があると便利だったかもしれない。
- 本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖 著者:三橋貴明 読了:2007/7/14
- 2ちゃんねる韓国経済スレのコテハンによる韓国経済の実態を解き明かした著作。国際収支とは何であるかを韓国経済を題材に解説しつつ韓国で何が起きているか?について明らかにしようとしている。
一見すると韓国経済はそれほど問題がないように見える。しかし国際収支の分析を進めていくと実は単なる数字のトリックであるということが明らかになっていく。また、韓国の一部の報道や研究者は危機感を持っているがその原因も彼らが想像しているものとは別のもの―産業の空洞化、教育問題、脱南者(韓国を脱出する)など―であることを示唆している。
嫌韓本の一種ともいえなくないが、実際には日本の隣に通貨危機の引き金を引きそうな国があること警告する内容となっている。
2007年6月
- 伝える力―各界トップランナーが講師をつとめる自己表現の教室 著者:久恒
啓一 読了:2007/6/2
- 物事を上手く伝える方法を、「聞く」「考える」「書く」という3つの観点で、10の解説がされている。各界トップランナーと銘打ってあるが、残念ながら誰も知らない。
内容自体は非常に当たり前のことが書いてある。図を使え、言葉ははっきりと発音する、相手のことを考えてインタビューするなど。また伝え方を説明するというよりも、伝えることへの想いを語っているだけのように感じた。初心に返るという面ではよかったが、ステップアップするつもりで読むと物足りない。同じ内容であっても、「有名な」各界のトップランナーが解説していたら・・・と思うと少々もったいない。とりあえず、上手く物事を伝えることができないと悩んでいるなら読んでみる価値はあると思う。
- ブルー・オーシャン戦略
競争のない世界を創造する 著者:W・チャン・キム 読了:2007/6/17
- 既存の市場(レッドオーシャン)から新しい市場(ブルーオーシャン)へと抜け出す方法を解説している。紹介sれている方法自体には目新しさはないがそれらをうまく組み合わせることで現状の分析をしている。また、簡単なことの組み合わせであるが、これらがうまく機能していないという指摘もある。一方、実践編になったとたん失速してしまったている。前半の分析がよかっただけに残念なところだ。
現状をしっかりと把握することでレッドオーシャンを抜け出すことが出来るという指摘は非常に興味深い。現状を抜け出すヒントは身近なとこりに存在しているということを改めて認識することができた。
- 涼宮ハルヒの憂鬱
4 (4) 原作:谷川流 漫画:ツガノガク 読了:2007/6/25
- 漫画で追いかけることにしたハルヒ。SOS団のマークにまつわる話と夏休みの話。どちらもミステリー仕立てではあるがSFの要素が入っている。
- 謎の彼女X
1 (1) 謎の彼女X
2 (2) 漫画:植芝理一 読了:2007/6/25
- ディスコミュニケーション、夢使いの植芝理一の漫画。処女と童貞が初めてSEXするまでの話なのだが、そこは植芝。唾液とハサミというアイテムを使うことで不思議な世界観になっている。1巻ではまだ方向性が掴めていない印象もあるが、2巻では安定してきたように思う。これまでの作品のような驚異的な書き込みはないが、他の作家がトーンやベタで済ませるようなところをアミカケで書くというというこだわりも見せている。
- 機動戦士ガンダムバニシングマシン 漫画:近藤和久 読了:2007/6/25
- メカニックを中心とした短編集。1年戦争のジオンが中心だが、Ζプロジェクトやジュピトリス系MS、νガンダム、サザビーについても触れている。近藤氏であるので戦闘シーンは非常に迫力がある。
2007年5月
- ネクスト・ソサエティ
― 歴史が見たことのない未来がはじまる 著者:P.F.ドラッカー
読了:2007/5/30
-
ピーター・ドラッカー2002年に発行された論文。ネクストソサエティと称する次の時代の予測をしている。短編論文とインタビューによって構成されている。また、多くは2001年9月11日のテロ以前にビジネス誌などで発表されたものであことに触れ、テロがネクストソサエティへの到達を加速させていると述べている。
ネクストソサエティはまだやってきていないがその片鱗は見せているという。たとえば、働き方は正社員だけでなくパートタイム労働者やアウトソーシングとなり流動的となる。そして正規社員よりも非正規社員の方が多くなるという。これについては今その通りになっていると言える。この背景として、ドラッカーがかねてから述べている知識社会への移行がある。知識の陳腐化が急激なものとなるため、外部の専門家に頼らざるを得ない状況となっているのである。また知識労働者は会社ではなく、仕事に忠誠を誓うこと、知識は持ち運びできることを指摘している。これによって人の流れがより加速するというのである。本書では知識労働者に関することに力が入っており読み応えがあった。
ドラッカーの主張のもう一つに社会のあり方というものがある。これまでは経済が社会を変えてきたが、これからは社会が経済を変えるというものである。この例として日本の「先送り」についてかなり触れていた。日本は先送りによって社会を優先することで経済的な損失があっても社会的混乱を避けてきたというのである。そして必要であれば一夜にして方針を180度転換する、という社会を中心に考えた政策によって発展してきたとドラッカーは分析している。残念ながらここはあまりピンとこなかった。おそらく海外から見てみないと分からないことなのだろう。
非常に広い話題、そしてまだ誰も見たことのない世界を予測しているので抽象的な部分もありかなり難しい。しかし、正規社員と非正規社員のバランスの変化のようにすでに変化が始まっている部分もある。ネクストソサエティと呼ばれる変化に対応するためにも「ネクストソサエティとは何か?」を考えていかなければならないと思う。
2007年4月
- ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか 著者:P.F.ドラッカー
読了:2007/4/1
- 1993年発行の本書は、資本主義社会の次に来るであろうポスト資本主義社会について、何が変化し、求められていくかを政治、経済、社会、教育といった広い範囲で論じている。ここで指摘されてものの多くは2007年現在世界で問題となっているものが多く、ドラッカーの読みの鋭さには驚かされる。たとえば年金の問題に触れていたり、大人のための教育機関の重要性を指摘している。
ポスト資本主義社会というのは知識社会である。資本主義社会では資本つまりお金を中心に世界が動いていたが、これからは知識を中心として世界が動くというのである。一見とんでもないことのように思えるが、インターネットによる情報の流通や特許・著作権に絡んだ問題を見ると着実に知識社会へ移行しているのではないかと思う。
知識社会への移行のために何ができるのか?という点についても様々な提言を行っているが、その中でも「知識の生産性の向上」という指摘は鋭いと感じた。知識というのは活用しなければ単なる情報に過ぎず、正しく活用してこそ意味があるというのである。つまりポスト資本主義社会においては知識を得るだけではなく、どう使うかが非常に重要な意味を持つということであり、そのために社会の構造そのものが変革するという大胆な予測となっている。
先に述べたようにインターネットを通じて様々な情報を手に入れることができる。これを知識として活用できるかどうかが、これからの社会をうまく生きていくために必要なこととなるだろう。
- シンボリック・マネジャー 著者:T.ディール/A.ケネディー 読了:2007/4/14
- 「企業文化」の観点から強い企業はどのようになっているのかを解説している。企業文化には企業を支える文化と企業を動かす文化の2つがあることを指摘し、それぞれについて細かく分析がなされている。
企業を支える文化には「メインカルチャーとサブカルチャー」、「英雄」、「非公式の人間関係」、「儀式」など企業勤めをしたことがあればうなずけることが的確に書かれている。特に「非公式の人間関係」は非常に重要であると感じた。経営者ではなくてもここは押さえておくべきポイントであると思う。
企業を動かす文化については、その特徴から4つの文化に分けている。たとえば官僚的であるとか。それぞれの仕事のやり方、そして必要とされる「英雄」の特徴、改革をする場合の方向性などが示されている。また、1つの企業によっても部署ごとに文化を持っており、官僚的な文化の企業であってもすべての部署が官僚的な文化を持っているわけではないことを指摘している。
企業が動くということはどういうことか、また改革するにはどのようにすればよいかについて企業文化の側面からのアプローチで解説しているが、誰もが体験しているであろうことが書かれているため非常に理解しやすい。一方で文化を根付かせることの大変さも伺わせる内容となっていて非常に示唆に富んだ内容となっていた。
- QC七つ道具100問100答 著者:細谷克也 読了:2007/4/22
- 特性要因図、パレ−ト図、グラフ、チェックシート、ヒストグラム、散布図、管理図、データとバラツキ(サンプリング)についてQ&A形式でまとめた解説書。それぞれの図の書き方から見方までを分かりやすくまとめている。ただ、簡潔にしようとしたあまり説明が不足していると感じる部分もあり別途補う必要がある。特に後半は数学的な内容も扱っているので分かりにくいかもしれない。
単に読むだけでは物足りなさを感じるかもしれないが、グループ研修のテキストとしては良くできている。(実際にそれを念頭に書かれていると思われる部分もある) 本書ではQCに関する道具の中でも比較的簡単で使いやすい物ばかりなのですぐに活用できるのではないかと思う。
- 涼宮ハルヒの憂鬱
(1) 涼宮ハルヒの憂鬱
(2) 涼宮ハルヒの憂鬱
(3) 原作:谷川流 漫画:ツガノガク 読了:2007/4/28
- 未だに人気の衰えないハルヒのコミック版。2003年に原作小説が話題になったときに少し読んだ程度。しかも2006年のアニメ版は雰囲気が受け付けずほとんど見ていない。が、やはりどういった話か押さえておいた方が良さそうなのでコミック版を読んでみた。普通に読めた。絵柄も問題なし。内容も面白く読めたので、アニメの雰囲気がダメだったということだろう。
3年前のある時点を起点としてハルヒを中心に世界が回り始めたということが語られつつ、超能力者、宇宙人、未来人と一緒に学園生活を送るというもの。一種のセカイ系とも言えるが、良くあるセカイ系とは違い明るい。おそらく各キャラクターがハルヒに振り回されるという構図が上手く働いているのではないかと思う。SF的な要素も含んでいるが、割と上手く処理しているし(簡単ではあるが)作品内でのルールもあるようなのでむちゃくちゃなことにはならないだろう。(SF関連の人たちの間で話題になっていたわけがようやく分かった)
もうすぐ4巻も出るらしいので、ハルヒについてはコミックの方で追いかけてみることにする。
2007年3月
- なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?―行動のための自己変革トレーニング 著者:笹氣健治
- ちゃんと仕事をするためにはどうしたら良いのか?ということを扱っているのだが、この手のHOW
TO本とひと味違うのは、「なぜ先送りにしてしまうのか」について心理学的なアプローチを採っていることにある。
先送りのメカニズムと先送りする人の心理パターンを明らかにした上で、思考、感情、行動の3つの側面からどうすれば行動できるようになるかを解説している。最後には「それでもまだ行動できないあなたへ」というこれまでの復習を兼ねたメッセージも掲載されている。
難しい言葉を使っていないし、例もよくあるものを採用しているので読みやすい。もうちょっと内容を濃くしてもいいかなと思うものの、かえってそれが先送りの原因になってはいけないので丁度いいのかもしれない。
2007年2月
- 実践
アクションラーニング入門―問題解決と組織学習がリーダーを育てる 著者:マイケルJ・マーコード 訳:清宮普美代/堀本麻由子 読了:2007/2/12
- 本書は、アクションラーニングの基本から、実際に導入する際のポイントを実例を交えて説明している。
アクションラーニングというのは、実務を通じたリーダー育成、チームビルディング、組織開発を効果的に行う問題解決手法である。大きな特徴は、実際に直面している問題をチームで解決しながら学習するという点にある。つまり問題解決と同時に個人・チーム・組織の成長を行うということである。
アクションラーニングでは質問を重視する。「何」ではなく「なぜ」という質問がよいとされる。また、「ばかげた」「くだらない」質問もよいとされている。これはメンバーの固定されてしまっている意識を解放すると同時に多くの場合物事の本質を捉えているからである。そのためメンバーは様々な部署から集めることを推奨している。
もう一つの特徴として、ALコーチの存在がある。ALコーチは問題解決に対して一切関与しない。その代わりに、チームがうまく機能しているのか、チームが機能不全に陥っていないかなどを見極め、「適切な質問」を投げかけることでチームの学習を助ける役割を持っている。ここでも質問が重要な役割を持っている。
アクションラーニングというのは質問を投げかけることで次の行動を後押しするものである。チームで行動することが求められるが、仮に一人での作業であっても「なぜそうするのか」「なぜそうなっているのか」という質問を自分自身に投げかけることによって問題解決ができるのではないか、と思わせてくれた。
- 通勤大学MBA〈3〉クリティカルシンキング 著者:グローバルタスクフォース 読了:2007/2/28
- クリティカルシンキングについて網羅的にまとめられている。通勤時間を使った学習を目的として構成されており、見開き2ページでチャプターが構成されている。しかし、前後のチャプターでの関連性がとぎれることも多く読みにくい。また、150ページほどの中に詰め込めるだけ詰め込んだという感じで、本の厚さだけでなく内容まで薄くなってしまっている。概要をなぞる程度には良いかもしれないが、クリティカルシンキングをちゃんとやろうと思うのであれば、手抜きをせずにもう少しちゃんとした本を読むべではないかと思う。
2007年1月
- ハッカーズ
その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く 著者:ケビン・ミトニック/ウィリアム・サイモン 訳:峯村利哉 読了:2007/1/5
- ハッカーの手口・心理をインタビューを元にまとめた小説風の読み物。前著「欺術」ではソーシャルエンジニアリングに重点を置いていたが、本書ではコンピュータを用いたハッキングを扱っている。本書のおもしろいところはハッカーへのインタビューが元となっていることであり、一応実際に起きたことであるという点である。「一応」としているのは、本当のことがインタビューで話されているとは限らないからであり、また侵入された企業などをぼかしているためである。
本書は11章からなっており、それぞれハッキングの手口の紹介と、それに対するミトニックの評価、そして対策という構成になっている。ここで紹介されているハッカー達は非常に執念深く、長い場合は1年以上もターゲットにアクセスを試みている。また、様々な隙間を突いて侵入を試みる様が描かれている。このことから分かるのはシステムを構築する場合には些細なミスが命取りとなるということである。
基本的なところではルータなどのデフォルトパスワードは変更してあるか、セキュリティホールは塞いであるか、さらには暫定対策が恒久対策になっていないかなど注意を注意を払う点は非常に多い。常にハッキングの脅威にさらされているものとしてセキュリティ対策を行う必要があることが示されている。
- ぷぎゅる
5 (5) 著者:コンノトヒロ
- 不条理メイドまんがの5巻。相変わらずの不条理な内容はクセになる。あと新キャラとしてカナト母登場。とりあえず凶悪らしいが、まだちょっと扱いに困っている感じがした。萌えを意識しているところもあるが、やはり不条理なので安心して読むことができる。
- システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術 著者:バージニア
アンダーソン、 ローレン
ジョンソン 訳:伊藤武志 読了:2007/1/29
- システムの問題を図を使って行う方法を実習を交えて解説している。大まかな手順は、システムの状態を決定づけている事柄(=変数)を見つけ、時系列での変化を見極めた上で因果ループ図を使用してシステムの構造を明らかにするという流れになる。ここでのメインは「因果ループ図」という図なのだが、一読しただけでは理解するのが非常に難しい。ループが8の字を描いたり2重になったり、輪がいくつも積み重なったりする。また、矢印に、S(Same:同じ)、O(Opposite:逆)という記号を付けて意味を持たせるのだが、矢印の向きが同じなので分かりにくかったりする。ここをクリアできれば有効なツールになるのではないかと思う。